梅の木

今日は晴れていて散歩にちょうどよいと思う

明らかに季節はずれなんだけど、リボンのついた夏らしい帽子をかぶって外へ出た

どうしてもこの帽子をかぶりたかった

あまりに眩しいので日傘を取りに戻る

目が赤く痛くなるから

 

ノースリーブのワンピースの上にブラウスを重ねて着た

他人の家のガラスにうつる自分の姿があまりにも素敵な装いだった

この装いを誰にも見せず、好きに街を練り歩き、家に戻るの

最高の散歩だと思う

 

コートを羽織っていてもつめたい風が袖から侵入して肌を冷やす

もうこれ以上外にいられないと思うほどからだが冷えたので喫茶店に入った

気になっていたメニューがないようだったので500円の紅茶を注文した

カウンターの端にトワイニングの紅茶の箱が見えた

からだが温まったのでお金を払い店を出たがすぐにまた寒くなった

 

このワンピースを仕入れてくれたお店の前には車が止まっていた

土曜日だし、忙しそうだな

今日の姿を見せて帰ろうかと迷ったけど、私のおふざけに付き合えるほど暇ではないのを知っているからやめた

 

家の前に一本だけ植えられている細い梅の木には花がついてた

沈みかけた日の光が木を照らしていた

おやすみなさい